1841年 英領インド ヴィクトリア女王 1モハール金貨
NGC MS62|S&W-3.7 TYPE A/1|W.W. PLAIN 4
英国東インド会社統治時代の歴史を今に伝える、ヴィクトリア女王の希少なアンティーク金貨。
1841年、イギリス東インド会社の統治下にあったインドのカルカッタ造幣局で発行された1モハール金貨です。
表面には、英国を代表する名彫刻家ウィリアム・ワイオンが手掛けた、若きヴィクトリア女王の優雅な左向き肖像が描かれています。裏面には、ヤシの木の下に立つライオンが刻まれ、英国東インド会社によるインド統治時代を象徴するデザインとなっています。
本品は「S&W-3.7 TYPE A/1」に分類され、彫刻家のイニシャル「W.W.」と、年号の数字「4」が装飾のない書体で刻まれた「PLAIN 4」の特徴を持つ個体です。
流通貨ならではの保存状態の希少性
本貨は、当時の商取引や資産保有に用いられた流通用金貨として発行されました。
金は比較的柔らかい金属であるため、実際の流通や長期間の保管によって、表面に摩耗や接触痕が生じやすい特徴があります。
特に、人物の肖像や細かな彫刻部分は摩耗の影響を受けやすく、発行から約185年が経過した現在、流通による摩耗が認められない未使用状態の個体は、保存状態という観点で高く評価されます。
本品は、世界的な第三者鑑定機関NGCにおいて、未使用級を示す「MS62」の評価を獲得しています。
MS62は完全無傷を意味するものではなく、製造時や保管時などに生じた細かな接触痕は認められます。しかし、流通による摩耗がないと評価されたことは、長い歴史を持つ金貨として重要な魅力です。
NGC鑑定結果が示す希少性
ご提示のNGC公式鑑定データによると、同一分類の総鑑定枚数は390枚です。
そのうち、本品と同じMS62の鑑定品は74枚。さらに上位のMS62+は2枚、MS63は17枚、MS63+は1枚、MS64は1枚確認されています。
つまり、本品より上位の鑑定品は少なくとも21枚存在する一方、MS62以上の高い保存状態を維持した個体は、総鑑定数390枚のうち少数派であることが分かります。
なお、NGCの鑑定枚数は現存枚数そのものではなく、再鑑定などによる重複の可能性もあるため、実際の残存数を示すものではありません。
インドの輸出規制による海外流通の制約
本貨の希少性を考えるうえで、もう一つ重要なのがインドの輸出規制です。
インドでは「古物・美術品法(Antiquities and Art Treasures Act, 1972)」により、製造から100年以上経過したコインは原則として古物に該当し、一般の事業者や個人による国外への輸出が禁止されています。
1841年発行の本品もこの規制の対象となるため、インド国内に現存する個体が新たに海外市場へ供給されることは、法律上大きく制限されています。
その結果、海外のコレクターは、主としてすでにインド国外で流通している個体から購入することになります。
こうした供給制約は、海外市場における本貨の希少性を考えるうえで重要な要素です。ただし、輸出規制による具体的な価格上昇率や海外現存枚数は確認されていません。
総合評価
本品は、次の四つの特徴を兼ね備えたアンティーク金貨です。
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歴史的価値 — 英国東インド会社統治時代の1841年に発行された、ヴィクトリア女王の金貨。
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芸術的価値 — 英国の名彫刻家ウィリアム・ワイオンによる、若き女王の精緻な肖像。
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保存状態の価値 — 流通用として発行されながら、約185年を経てNGC MS62の未使用級評価を維持。
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海外流通の希少性 — インドの古物輸出規制により、国内現存品の海外市場への新規供給が原則として制限されていること。
特に注目すべきは、流通用金貨でありながら未使用級の状態を維持していることと、インドからの新規供給が制限されていることです。
歴史的背景、芸術性、保存状態、そして海外市場における供給制約という複数の観点から評価できる、コレクション性の高いヴィクトリア女王の1モハール金貨です。
基本スペック
| 項目 |
内容 |
| 発行年 |
1841年 |
| 発行国 |
英領インド |
| 発行主体 |
イギリス東インド会社 |
| 造幣局 |
カルカッタ |
| 額面 |
1モハール |
| 素材 |
金(約91.7%) |
| 重量 |
約11.66g |
| 直径 |
約26mm |
| 分類 |
S&W-3.7 TYPE A/1 |
| 特徴 |
W.W. PLAIN 4 |
| NGC評価 |
MS62 |
| NGC同グレード鑑定枚数 |
74枚 |
| NGC総鑑定枚数 |
390枚 |
| 鑑定番号 |
6500806-004 |